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Vol.04

LOW IQ 01×白川貴善(BACK DROP BOMB)

2人のアーティストが語る90年代のバンドシーンとファッション

12年ぶりに開催されるロックイベント『BAD FOOD STUFF』。その出演バンドから、
LOW IQ 01と白川貴善(BACK DROP BOMB)が90年代のバンドシーン、ファッション、
そしてスニーカーについて語ってくれ、2人とは旧知の仲である
編集者の松本渉(元Samurai magazine編集長)が聞き手を務めた。

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LOW IQ 01

@lowiq01

1994年にSUPER STUPIDを結成し、1999年からソロ活動スタート。LOW IQ 01 & MASTER LOW、RHYTHM MAKERS、 MIGHTY BEAT MAKERS 、ANOTHER BEAT BREAKERなど、さまざまなアーティストの参加、人数編成で多様なライブ活動を繰り広げている。

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白川貴善

@shirakawa_nandayo

1994年結成のBACK DROP BOMBのヴォーカリスト。上田剛士のソロプロジェクト・AA=でもヴォーカルを務め、USのポップパンクバンド・ALLへの敬愛を込めたバンド・Noshowのヴォーカルとしても活躍中。ブランドのディレクターとしての顔も持つ。

―お二方が出会われたのは90年代かと思うのですが、最初に会った時のことは覚えていますか?

LOW Q 01:めちゃくちゃ覚えてる。家系ラーメンだよね、 横浜系だから(笑)。Hi-STANDARD、ABNORMALS、COKEHEAD HIPSTERS、 と俺らのSUPER STUPIDの前身のACROBAT BUNCHとかが1992年組みたいな感じで、後輩って結構横浜のバンドが多くて、BACK DROP BOMBもそのあたりのバンドとよく一緒にいたイメージだから、横浜のバンドだと思ってたの。でも仲良くなってみると、メンバーの出身地がみんなバラバラで。
まだBACK DROP BOMBを見る前は、かっこいいバンドがいるって噂には聞いてたんだよね。
俺らの前にもそういうクロスオーバーの音楽をやってるバンドっていっぱいいたけど、本当に世の中に成立させたのっていうのは、BACK DROP BOMBかなって俺は思ってる。ちょっと上から目線で申し訳ないけど、すげえフレッシュだなって思ってた。俺も80年代後半から90年代初頭って、ミクスチャーをやり倒してきたから。チョッパーベースで、ラップをやるみたいな。ヒップホップじゃないんだよ、ラップ。いやラップじゃないね。韻を踏んでない早口言葉だったんだけど(笑)、それをちゃんと日本のロックシーンに確立させたのはBACK DROP BOMBだと思ってて。

白川:イチカワくん(LOW IQ 01)はCOKEHEAD HIPSTERSのライブにいつもいる人ってイメージだったかな。ガヤ担当で(笑)。

LOW IQ 01:そういったクロスオーバーのシーンで先頭切ってたのは、俺はCOKEHEAD HIPSTERSかなと思ってた。アメコアとスケートとかのいろんなものが交わった頃。BACK DROP BOMBは、もうちょっとヒップポップ寄りというか、レゲエみたいな曲調もあって。本格的な感じでヒップホップやレゲエをバンドサウンドに取り込んでいたから、若いのにしっかりしてるなーと思ってた。後々タカ(白川)と仲良くなると、バンドというか、ロックという音楽に全然興味ない人なんだなってことがわかって(笑)。

白川:最初に会った頃のイチカワくんだと、オーバーサイズの服を着ていたイメージかな。
ヒップホップっぽいというよりは、 ヒップホップとスケーターの間みたいな。

LOW IQ 01:あの時代はね、パンツをデカめで穿いてたな。頭にバンダナ巻いたりもして。

―当時、ファッション的に影響を受けてた人とかいましたか?

LOW Q 01:特に誰かというよりも、90年代よりも前の80年代後半とか、さらにもっと前の時代の要素をミックスして着てた感じかな。

白川:イチカワくんたちのジェネレーションが多分一番映画とかから影響受けてますよね?

LOW IQ 01:そうだね。映画とMV、PVとかね。ブートのビデオを観て。これ本当によく言うことなんだけど、SNSがない時代は、もう足で探すしかなかったんだよ。

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―イチさんは当時すごく太いシルエットのファッションをされていたイメージがありますね。バンドをやっている人の中では珍しかったんじゃないですか?

白川:バンド周りではイチカワくんぐらいしかいなかったよね。

LOW IQ 01:自分でもそれがクロスオーバーだって思ってたかな。ヒップホップっぽい感じのシルエットで、タンクトップにバギーデニム穿いて、Timberlandのブーツを履いたりもして。あっ! BAD BRAINSには影響受けてたかも!
とにかく、みんなが思うような90年代に流行り出してきた音楽が好きっていうよりも、
俺が好きだったものは、そのデカいシーンになるちょっと前の年代のファッションとか音楽なんだよね。

白川:イチカワくんも俺もそこの主流じゃない人たちだからね。

LOW Q 01:そう。なんかプログレみたいなこともやったり。BACK DROP BOMBも プログレみたいな感じをやってたり、ポストロック的なことも2000年代になってからやったりとかしてたから。
今までJ-popを聴いてましたみたいな高校生ぐらいの子が、日本でこんなバンドがいるんだ!ってびっくりしたのはBACK DROP BOMBとかを聴いてとかじゃないかな。英語も話すしね。

白川:その子たちのお兄ちゃんたちが、多分ハイスタとかを聴いていた世代の最初ぐらいですよね。学祭でBOφWYのコピーをやってたような人たちがメロコアをやり始めるみたいな。非常に繋がりやすいというか。メロディーがキャッチーだし、歌謡曲耳の人が一番入りやすかったのは、その世代の人たちだったというか。俺らはそのひとつ後の世代だから、またちょっと雑多になってて。でもいざそのシーンに入って行くと、もうすでにイチカワくんみたいなスタイルの人が東京にはいて。それから、個性がどんどん乱立していったみたいなタイミングで。でも、ファッション的には、その時のみんなは基本的にチノパン穿いてバンドTシャツ着てる、みたいな人が多かった。

LOW Q 01:LAっぽいというかね。足元はVANSで、Dickies穿いてネルシャツ着るみたいな。俺は同じLAっぽさでもネルシャツ着てもボタンを全部閉めたりして、ネックレスも作っちゃうスタイルだった。映画で観たスケートスタイルを取り入れたり。SuicidalTendenciesとヒップホップを掛け合わせたみたいなファッションだよね。

―それまでライダースに革パンみたいなスタイルでバンドやってる人がファッションで取り上げられることはありましたが、 いわゆるストリートファッションとして自分たちでブランドもやり始めて、音楽からの入り口だけではなくファッションから入って来たファンもいるとかって、日本の中でのバンドマンとしてはパイオニア的な存在だった気がしてまして。

白川:90年代半ばからじゃないかな。でも、その頃だと、ライブハウスに来る人たちでもDickiesにバンドTの人たちとは別で、Irish Setterを履いて初期の原宿のショップに並んだりしていたお客さんたちも結構いたから。俺らの世代だとそういうカルチャーは既存の空気としてある中でやってた気はする。ショップでバイトして、夜スタジオで練習して、バンドやってるみたいな人もいたし。だから創世紀と言えば創世紀かもね。

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LOW IQ 01:クラブに行けば、DJもハードコアもアメコアもかけるし、レゲエもヒップホップもかける。そして、スケートのランプがあったりとかして、 あのシーンはやっぱ元祖って言ってもいいんじゃないかなって思う。SCRAMBLE CROSSING(※90年代のさまざまなジャンルを取り込んだ伝説のイベント)とかね。雑誌もFineがあって、その後にWarpが出てきて。アーティストとブランドやってる人とスケーターとかメディアもクロスオーバーしてた時期。

―バンドマンが雑誌のモデルをやってたのって、イチさんとかの世代が最初ではないんですか!?

LOW IQ 01:それはGAS BOYSが先にいたよね。最初はDJとMCのヒップホップをやっていたけど、90年代にはバンドスタイルになって、ハードコアのバンドと対バンしていたから。あとはNUKIE PIKESとかもね。サウンドのごちゃ混ぜ感とそれをやり始めた速さで言ったらNUKIE PIKESは抜き出ていたかも。
俺がACROBAT BUNCHをやってる時は、ECDやMICROPHONE PAGERとか、キミドリとかが出るイベントでもよく対バンしてたしね。

―この前撮影で履いてもらったLAWSUITという、90年代の発売当初はNORTONというモデル名のadidasのスケートシューズなんですけど、当時どんなシューズだったか覚えていますか?

LOW Q 01:なんかちょっと俺らが持ってるスニーカーとは形が違うシューズが出た、と思って見てた。ちょっとボテッとしたフォルムで。タンも厚くて、スケボーする人専用のスニーカーのような気がしてた。

白川:あともう1モデルあったよね!? あ、ADIMATICか。そのどっちかを当時ロンちゃん(※BRAHMANのDr.のRONZI)が履いてた気がする(笑)。当時のNORTONのオレンジとかグリーンのカラーは、原宿の人たちが雑誌で紹介とかしてたんじゃなかったっけ。

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―その90年代ぐらいに、 すごく思い出に残ってるシューズとかってありますか?

LOW IQ 01:やっぱりシンプルに言っちゃうと、SUPERSTARとAIR FORCE1。

―やっぱりSUPERSTARとAIR FORCE1って、音楽で言うとどうしてもヒップホップの文脈に繋げられがちじゃないですか。
だからやっぱりバンドマンがそのシューズを履いていたということが時代を象徴している感じですよね。もうちょっと後のバンドマン、例えばメロコアのシーンで言うと、みんなVANSを履くようになったり。

白川:その間に、adidasのCAMPUSを履いている人たちがいたね。同じフラットソールのSUPERSTARとVANSの中間的存在で。
その頃はNewBalanceも一部熱狂的なマニアがいて 、みんなオシュマンズに買いに行ってて。だから原宿に行くと駅出て、とりあえずオシュマンズに何のモデルが入ってるかを見に行くことがスニーカーパトロールのスタートになってたと思う。
でも、いつも靴は友達のお店に行って見てたかな。渋谷でマンハッタンレコードの 洋服の方のお店行ってみて、そこから原宿に行って、セクスペリエンスを経由して、その横でハヂメ(DJ HAZIME)がバイトしていたブルースに行って。

―ありがとうございます! 90年代のストリートカルチャーやライブハウスシーンを鮮明に思い出すことができました。
今回BAD FOOD STUFFがまた開催されるということで、この企画に繋がったんですけど、90年代のBAD FOOD STUFFは最初どうやって始まったんですか?

白川:最初は、SCAFULL KINGのケンジが始めたイベントで。当時は王道として、やっぱりパンクロックとかがライブハウスシーンの中心で盛り上がっていたので、俺らは基本そのスタイルではなくて。もちろん対バンすることはあるけど、全然違う王道ではないスタイルが出来上がりつつあるような4バンドが集まって始めたイベント。 まあ、王道から弾かれた4組というか(笑)。

LOW Q 01:ある意味、ホントのミクスチャーなんだよね。当時BRAHMANが言われたのは、民族音楽とパンクロックを鳴らすバンド。BACK DROP BOMBはロック、ヒップホップ、ラップを掛け合わせたバンド。SCAFULL KINGはスカなんだけど、ちょっとファンクの要素があったり、パンクの要素もあったり。で、ウチ(※当時はSUPER STUPID)はなんていうか、曲ごとにテイストがいろいろ違うバンドで。
だからホントに“それぞれが好きなものを食べる”みたいなイベントだった。和食料理屋なのに、急にシメにナポリタン出してくるよ、みたいなノリで。

白川:だから最初は、シェルター(※下北沢のライブハウス)で1本、ケンジの仕切りで単発でやって。それで俺が「楽しかったね、もうちょっとツアーとかもやりたい」ってケンジに話して、「だったらタカさん、やってみてください」、みたいな感じになって(笑)。で、そのまま流れでツアーがスタートしたっていう。

LOW IQ 01:たしかみんなで一番最初のシェルターでやった時の物販のTシャツをケンジん家で手刷りで作ってたよね!? 俺はやってないけど(笑)。
そこから90年代に4バンドでツアーとかも回っていくんだけど、2000年代になったら、ちょっと形が変わっちゃったもんね。4バンド以外のバンドも出演するようになったりして。それで一旦やらなくなったんだけど、今から12年前の東日本大震災の翌年に復活して。俺とSCAFULL KINGは違うバンドでの出演になったけどね。

白川:震災の翌年は、その4バンドが集まって、なんかやるぞっていうスクラム組む感じじゃなかったんだよね。他にも誘いたいバンドがいたから、各地方で出演者が違ったりして。その後、数年前からまたやろうって話にはなっていて、4バンドのメンバーがいろんなところで会う度に話したりしてはいたんだけど、そこからコロナになってしまって現実的ではなくなって。でも今回はまた最初の4バンドでやろうという気持ちが重ねられたんで、『BAD FOOD STUFF Originals』というイベント名で開催しようと。まぁ今回が一番第1回目に近い雰囲気じゃないかと。

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―最後に、今回のadidas OriginalsのLAWSUITのキャンペーンが“ストリートに訴えろ。”というコンセプトを掲げて、BAD FOOD STUFFとも一緒に取り組みをすることができたんですが、今のストリートに訴えたいことはありますか?

LOW IQ 01:今、俺がいつもストリートにいるかと言われたらそうじゃないかもしれないけど、やっぱり今の自分を作ってきたのはストリートのカルチャーしかないわけで。ファッションも音楽も。それでできた自分が、ライブハウスという場所で音楽を鳴らし続けられているのは、ストリートで見たり聞いたりしたものや、ストリートで繋がった人から受けた影響がすべてなんだよね。日本に限らず世界のね。だから、SNSも必要だと思うけど、ストリートに行くことでしか得られないコトやモノがたくさんあると思うから、街に出ることを好きになってほしいな。
あ! 地方にライブに行って美味いものの食べ歩きをしたくて、渋い店を探して街を歩き回ってるという意味では、今でもずっとストリートにいるのかも(笑)。

白川:ストリートっていう言葉の定義も90年代と現在ではだいぶ違う気もするけど、いまだに聴く音楽も、着る服も、間違いなく自分が幼少の頃から憧れていたものや好きだったことからは地続きな部分はあると思うから、一生ストリートという文化の呪縛からは逃れられないんでしょうね。ある種、ニッチなムーブメントが生まれるのがストリートだと思うけど、人の真似をすることとか人と被ることを避けたいと思う人たちが集まることから生まれるのが、トレンドやブームではなく“ムーブメント”だと思うので。

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adidas LAWSUIT

90年代に登場し、
2012年には「NORTON」から「LAWSUIT」へと名称を変えながら愛されてきた。
90’sスタイルとも相性抜群である
本作の最大の特徴は、
スウェードとキャンバス素材を組み合わせた
耐久性のあるタフなデザインに、
ボリュームのあるファットなフォルム、
そしてアイコニックな太いスリーストライプ。
カラーリングは、OGカラーである
スタイリッシュなブラックとグレーの2色展開。

adidas-lawsuit

if8798
¥15,400(税込)

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ig8280
¥15,400(税込)

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