the-north-face-boots-collection-fall-winter-2023

Vol.06

Zeebra

俺はいつだってストリートに居る。Zeebraが未来に残したもの。

東京のストリートにて、多様なカウンターカルチャーが隆盛を極めた1990年代。
日本語ラップのOGとしてシーンを牽引してきたZeebraが振り返るヒップホップの歴史、
そして、アクティビストとして次世代へ繋いでいく、精神性について。

adidas-lawsuit

Zeebra

@zeebra_the_daddy

ヒップホップ・アクティビスト。キングギドラのフロントマンとして1995年にデビュー。日本のヒップホップシーンの顔役として活躍し、2014年に自身のレーベル「GRAND MASTER」を設立。MCバトル番組「フリースタイダンジョン」のオーガナイズ兼メインMCや、ヒップホップ専門ラジオ局「WREP」の開局など、その活動は多岐にわたる。

ーZeebraさんのキャリアの初期、特に90年代はどんなマインドで活動していましたか?

俺は71年生まれなのね。ティーンエイジャーを過ごした80年代は、ものすごく商業的な時代で、精神性よりもお金が重要視されていた。だからこそ、ヒップホップのようなアンダーグラウンドカルチャーが当時のポップミュージックへのアンチテーゼになって、その対立構造がヒップホップを大きくしていったんだよね。それが、だんだんテイクオーバーしはじめたのが90年代。93年頃に、Snoop DoggとかDr. Dreがバカ売れするわけ。それも80年代に売れたポップスに寄せたラップじゃなくて、TVでかけられないようなストリートの劣悪な環境を歌った曲が、すげぇ売れる時代が突然来て。それは80年代のカウンターカルチャーとしての精神性が、地下に溜まってたマグマが一気に放出されたからなんだけど。日本でも我々は同じようにアンダーグラウンドで耐えていたんだけど、アメリカが爆発してるぞ! 俺らも行くぞ!って、90年代の日本のヒップホップも勢いを増していったね。日本のヒップホップの土台ができて、シーンとして確立したのも90年代前半だったと言えると思う。

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ーLAWSUITのオリジナルが発売した90年代の日本のヒップホップシーンやストリートについて、当時を知らない若い世代に伝えるとしたら、どんな時代だったと形容しますか?

もう、何もかもが違うよね。当時はレコードとCDだけだったのが、今は配信が中心で、それだけで在り方が全然変わる。SNSもスマートフォンもないし、結局は人に会って情報交換するしかない。だから、“ストリートに出よう”って時代だったんじゃないかな。

90年代の渋谷は、宇田川町がコレ村って言われてて、とにかくレコード屋さんとかヒップホップ系のショップも多かったから、このエリアに来ることが大切だったの。俺らも何の用事もないのに毎日のように来て、たむろするんだよね。そうすると、ヘッズたちが、「あ! Zeebraだ! UZIいる! RHYMESTERさっき会ったよ! MUROくん!」ってなるわけ。それが皆をストリートに引きつける磁力になるからって、我々は意識してやっていたんだよね。わざわざ折り畳みの椅子を持って行って、道端でラジカセかけながらチルったりしてたよ(笑)「写真取ってください、デモテープ聴いてください」って会話からアーティストになったやつもいるし。それが当たり前で、コミュニケーションから作っていくアンダーグラウンドシーンって感じだったな。

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ーとにかくストリートで学ぶ時代ですよね。90年代のファッションはどう変化していったように感じました?

90年代に入ってだんだんパンツも太くなって来て、一時は俺も40インチとか履いてたね(笑)。しかも、当時はまだ立体裁断で身体に合うとかもないから、とりあえずデカイの買っといてベルトで何とかしようみたいな(笑)。90年代のファッションで、例えばわかりやすく気を衒ったのは、Kris Kross。子供のラップデュオなんだけど、洋服を逆に着るんだよ。ベースボールジャージもデニムも逆で、何これ!?って感じ。要は、既成概念を取り払うってことなんだよね。この服はこう着るとか、この服はこういう人は着ないとか、そういう概念を無視して、いかにかっこ良く着崩せるかっていうムードを表してた。adidasなら、あえて靴紐を抜いて履く受刑者のスタイルとかね。それこそ、ゲットーで誰も買えなかったハイブランドの偽物の生地を使ってDapper Danがハーレムで仕立てた全身モノグラムのファッションも、今では当たり前になってる。ファレルがLOUIS VUITTONのディレクターになったり、時代がひっくり返ってるなって思うよ。

ーファッションも音楽も、90年代リバイバルの流れが根強くある、その理由は何だと思いますか?

精神性じゃないかな。昔と今で時代は大きく変わったって話をしたけど、精神性っていうのはテクノロジーの発展と関係がないわけで。例えば、今でも俺らは武士を見て、かっけぇ!と思ったりするように、科学や技術の進歩とは全く別の部分で、人間の感覚には普遍的なものがあると思うから。ただ、時代によって何が求められているかっていうのは変わってくるけどね。80年代は拝金主義の時代で、90年代は精神性が問われた。でも、今度は精神性を持ってる人たちが認められてくると、そいつらが金の話をし始める、それが00年代。何事も行ったり来たりを繰り返すっていうことだね。

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ーそこから時代は進んで、Zeebraさんは、「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」、「フリースタイル・ダンジョン」等のコンテンツを通じて、国内ヒップホップシーンの拡大に貢献して来たわけですが、どんな想いがあったか改めて聞かせていただけますか?

自分はヒップホップアクティビストって名乗るぐらい活動家としての意識が強い。ヒップホップを通じて社会に貢献するには、まずヒップホップのパワーを大きくしないといけないよね。だから、プレイヤーとして頑張るだけじゃなくて、シーンを盛り上げる為にどうすればいいかを30年間ひたすら考えて動いてきた。ヒップホップって文脈を知れば知るほどより面白い文化じゃん。その分、知ってる人と知らない人の溝ができてしまった時代があった。10代が誰も聞いてなかったらシーンの未来はない。だから、若い子が自分たちの世代が出てて面白いと思えるヒップホップのコンテンツが作りたかったんだよね。そこでMCバトルって案が出て、まずは高校生8人ぐらいなら集められるだろうと始まったのが「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」。これがめちゃくちゃ面白かった。特に自分が貢献できたと思うことは、MCバトルの番組に歌詞のテロップを入れたこと。これで韻を踏むという行為がお茶の間に完璧に伝わった。こんなすげぇことしてたんだ! って。そうやってラッパーが市民権を得るようになっていったのは嬉しいことだよね。

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ー90年代生まれのT-PablowさんやYZERRさんが『ラップスタア誕生 2023』の審査員をしたり、Zeebraさんがフックアップしてきた下の世代の活躍で、また時代が一巡したように感じます。

ヒップホップに冬の時代はもう来ない。これは断言できると思う。多くの人に理解してもらえた実感があるからね。時代も追い風で、SNSはフレックスすることだったり、ヒップホップのカルチャーと相性も良い。やっぱり、これからも若い世代が世界をコントロールすればいいと思うよ。彼らが、糸の切れた凧みたいにどっかに飛んでいかないようにサポートするだけ。それが俺たちの仕事だと思ってる。

ー最後に、Zeebraさんがこれまでストリートの為に訴えてきたこと、今後も大事にしていきたいことを教えてください。

世界中のどんな素敵な場所に行こうが、俺は一生ストリートに居る。そういう気持ちが常にある。居なくなる人がいてもいい。でも、俺はずっとストリートに居るし、そういう人が居るってことを分かってると楽しいよ。どんだけデカい凧で、どんだけ高い所まで行っても、その糸がストリートに繋がっていればそいつはOK。だから、電話番号は変えんなよ(笑)。

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adidas LAWSUIT

90年代に登場し、
2012年には「NORTON」から「LAWSUIT」へと名称を変えながら愛されてきた。
90’sスタイルとも相性抜群である
本作の最大の特徴は、
スウェードとキャンバス素材を組み合わせた
耐久性のあるタフなデザインに、
ボリュームのあるファットなフォルム、
そしてアイコニックな太いスリーストライプ。
カラーリングは、OGカラーである
スタイリッシュなブラックとグレーの2色展開。

adidas-lawsuit

if8798
¥15,400(税込)

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ig8280
¥15,400(税込)

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